標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【a】

あるアーティストの「標識を勝手に書き変える」という作品が話題になっていたのでとりあげたい。

まず最初に見たときに、作品として面白いと感じた。しかし標識を勝手にか描き変えることは違反行為だ。

賛否両論が起こっている。

私はこの作品をアートテロと名付けたい。テロは一方にとっては悪だ、しかし一方にとっては正義であるかもしれないのだ。

権力に対する抵抗 

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】
この作品を作ったのはフランス人アーティストのクレ・アブラーム氏。

彼はこれまでにも日本だけでなく、世界中の標識にこのような作品を作ってきた。ヨーロッパでも罰金刑を課せられたことがある。

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】

アブラーム氏は標識を「権力の象徴」と捉え、一方的に権力によって決めらたルールに意義を唱えるための作品だという。

批判も賞賛も 

もちろんこの作品には、面白い」と賞賛する声もあれば「ただの犯罪と」批判する声も上がっていた。

私はどちらも正解だと思う。

危険性があるのも事実だろう、日本の法律にも違反している。なのでこの作品をアートテロと名付けたい。


テロは一方にとってみれば悪であるが、一方にっとは正義であることもある。

賞賛する声、否定する声はその様子を表しているように思える。思想同士の戦いだ。

 アブラーム氏はアート界のスノーデンと言ってもいいかもしれない。 


単純にセンスはいい 

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】

しかし作品のセンスがいいのは事実なのである。その点は評価すべきだと思う。

だがツイッターでは「違反しているので評価などしない」と一刀両断の意見も多かった。

違反は違反で置いといて純粋に作品のセンスについて語りたかったが、そうならないのは残念だ。

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】

これは日本独自の空気なのだろうか?

外国はハッカーがあえて企業のセキュリティを破り、実力を示して就職するということがあるらしい。

ハッカーは悪いことだがその実力は評価し、合法なことに力を使うのだ。

しかし日本ではハッカーを表面的に悪と判断し、中身の評価はしないのだ。それは非常に残念で損失である。センスはよく、作品としては面白いということを認めてあげよう。


アーティストは常識がない? 

時にアーティストは常識がなく、自分の感情に従う。それを理解しなくてはいけない。

他にもアーティストが勝手に作品を作っているので紹介したい。

インベーダー 

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】インベーダー
世界中の都市にピクセル画を描くインベター。東京にも彼らの作品はあるがほとんど気づかれることはない?

バンクシー 

標識を勝手に変えるアート。アートテロは正義か?悪か?【art】 バンクシー

彼も路上の壁に描く、もちろん許可はない、許可など取らず描くことに意味があるのだろう。

許可を取れば伝えたいメッセージが安っぽいものになるだろう。

彼の作品にも社会的なメッセージが込められている。しかし彼の作品はゲリラ的に描くため、ただの落書きとして消されることもあるという。




まとめ 

アーティストの表現と法律を語るのは難しいことだ。

絶対の力を持っていると思う法律も誰かが決めたルールで、この世が無常である以上その法律も完璧でなく常に変化していくものであるはずだ。

アーティストは時代や国よって決まる価値観ではなく、もっと心の奥にある本質的何かを求めているのだろう。

少なくとも表面的に悪と決めつけてしまっては、世界の本当の姿は見えてこないのだ。
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