ルイス・カーンの世界一美しい研究所「ソーク研究所」【ar】

世界一美しい研究所。ルイス・カーンのソーク研究所【arichitecture】
遅咲きの建築家、そして建築界最後の巨匠と言われるのが建築家ルイス・カーンである。

彼の設計したソーク研究所は、その建築自体がまるで美術作品のような美しさなのだ。

まさに世界一美しい研究所と言えよう。

建築界最後の巨匠、ルイス・カーン

1901年生まれのエストニア系のアメリカ人建築家である。大学時代はフランス人建築家ポール・クレの元で学び、その後デザイン事務所などで順調にキャリを重ねていた。

クレの事務所でも働いたが、1929年に起こった世界大恐慌で事務所の仕事が激減、事務所を退所した。


その後ほぼ無職という状態が4年間続いたが、1935年に自らの事務所を開いた。

そしてイェール大学の非常勤にもなり、その縁でイエール大学アートギャラリー(1951年 - 1953年)を設計することなったこれが事実上の建築デビューとなった。
50歳を超えての建築家デビューだった。

そして自身が60歳の時に設計したのがソーク研究所である。

ルイスカーンの建築には精神性が宿ると言われている。その美しいコンクリートの使い方は日本の丹下健三にも影響を受けたと言われているが、カーンにしか出せない美まで到達している。

世界一美しい研究所、ソーク研究所

世界一美しい研究所。ルイス・カーンのソーク研究所【arichitecture】
ソーク生物学研究所(1959年 - 1965年)は、ポリオ・ワクチンを開発したことで知られる細菌学者のジョナス・ソークによって開かれた研究所だ。

カーンの建築のリチャーズ医学研究棟をソーク博士が見て感銘を受け、カーンに設計を以来した。

「芸術家のピカソを招いてもいいような研究所を」

とソーク博士はカーンに要望を出した。

カーンはわがままで頑固であったため施主と喧嘩になることもあった。そのため事前にソーク博士が出した条件(希望)の一つだった。

 ソーク博士が出した条件は他にも3つあった。

・研究者のコミュニケーションが良くなること
・メンテナンスの費用がかからないこと
・アートを飾るのに適していること(例えばピカソなど) 

世界一美しい研究所。ルイス・カーンのソーク研究所【arichitecture】

今でも現役の研究所だ。研究者の数は1000人と小規模であるが、論文の引用度は世界でも1、2位を争っている。

生物医学系の研究所で
多くのノーベル賞受賞者も出しているのだ。

空へのファサード

この建築の最も美しく顔にもなっているのが、中央の海が見渡せる広場だ。この場所は最後までカーンが悩んだ場所であった。

当初は何かを作ることを考えていたが、友人のメキシコ人建築家ルイス・バラガンにアドバイスを求めたところ、

「ここには何も置くべきではない。そうすればここは空へのファサードになるだろう」

と言われ、カーンもそれに納得した。
そして海、空、そして建築が一体になった。


世界一美しい研究所。ルイス・カーンのソーク研究所【arichitecture】

http://news.buzzbuzzhome.com/2013/08/top-7-surreal-buildings.html
春分と秋分にはこの水路の向こうに日が沈む。 

世界一美しい研究所。ルイス・カーンのソーク研究所【arichitecture】
http://en.nai.nl/toolbar/press/item/_pid/kolom2-1/_rp_kolom2-1_elementId/1_1279290/_rp_kolom2-1_to/1_article
まるで昨日デザインされたかのような洗練さと、太古から存在するような尊厳さが同時に感じられるのである。

まさに空と一体になり様々な表情を見せてくれる。



まとめ

研究所のような、外からほとんどお客がこないような建物を建築家がデザインするのは日本では考えられないだろう。

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機能性は重視されるが、芸術性などは必要ないとなってしまう。

暗くて、閉鎖的なイメージが強い研究所のイメージが一変する建築だ。
日本にもこんな建築があたらいいなと思う。。

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