フランス国旗を持って勇敢に立ち向かう女性が印象的な絵画を見たことがあるだろう。
この絵画を描いたのが19世紀のフランスの画家ドラクロワである。
絵画で事件を伝えた？ドラクロワとは？
1798年4月26日 - 1863年8月13日。19世紀のフランスに生まれ、ロマン主義を代表する画家であるのがドラクロワだ。「民衆を導く自由の女神」、「虎狩り」 などが代表作だ。
ロマン主義の特徴として実際に起こった事件や出来事を描くのが特徴だ。その中でもドラクロワは劇的にドラマティクに描いた。
父親は外交官のシャルル・ドラクロワ、しかしウィーン会議のフランス代表として知られるタレーラン＝ペリゴールが父親だという説がある。
画家としては新古典主義の画家ピエール＝ナルシス・ゲランに入門し、1822年にはサロンに入選した。
1842年には「キオス島の虐殺」をサロンに出品した。この作品は実際に起きた事件を題材にした。
（キオス島の虐殺）
オスマン帝国の統治下にあったギリシアのキオス島において、トルコ軍兵士が一般住民を虐殺した事件。
先輩画家であるアントワーヌ＝ジャン・グロに「これは（キオス島の虐殺ではなく）絵画の虐殺である」と酷評された。しかし政府の買い上げとなった。
そして1830年にはその年の7月に起きた7月革命を題材にした「民衆を導く自由の女神」を制作した。
ちなみにこの絵画はドラクロワの自身の肖像と共に、旧フランス・フランの100フラン紙幣に描かれたこともあった。
民衆を導く自由の女神
1830年に起きたフランス7月革命をモチーフに描かれた。
こ絵はその革命のパリでの市街戦を題材にしている。
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中央で民衆を導くのはマリアンヌというフランスで理想の女性を表した代表的な女性像だ。
さらに自由を象徴する存在として描かれている。
乳房は母性と祖国を表している。
（フランス7月革命）
フランスの7月革命とは1830年7月27日～29日に起きた市民革命である。フランスでは栄光の3日間とも言われている。
フランスでは18世紀の終わりにフランス革命が起こった。これにより絶対王政や封権制度のような古い体制が終わったように思えたフランスだった。しかし、1815年の王政復古によりルイ18世が王位に就くと、貴族などを優遇しそれまでの古い政治体制をとった。
それに不満を募らせた市民たちによる革命だ。
アメリカにもある自由の女神のモデルにはなった。
キオス島の虐殺
当時はまだ事件などは活字だけの報道でああったが、ドラクロワの絵画によって視覚的にこの事件が伝わった。
そして事件が注目されギリシャの独立運動がヨーロッパにも伝わり援助にも繋がった。
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現代の報道写真的な役割をしたのかもしれない。
まとめ
実際に起こった事件を劇的に描き、人々を動かした絵画を描いたのがドラクロワであるだろう。歴史の教科書に出てくることからも歴史の報道絵画というべきかもしれない。
絵画により美術鑑賞だけでなく、歴史の出来事も知ることができるのだ。
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