若冲とは江戸時代の中期に活躍した日本画家だ。写実と想像を組み合わせた奇抜な絵画で知られている。そんな若冲の作品の中でも狂気的な作品を紹介しよう!
伊藤若冲の狂気的な絵画
伊藤若冲は江戸時代の中期(1716年〜1800年)に京都で活躍した日本画家だ。それまでの絵画とは一線を画した前衛的な絵画を多く描いた。その中でも狂気的な絵画だと言われてる作品を紹介しよう!それがこちらの「樹花鳥獣図屏風」だ。すごい!
アートはよくわからないものも多いが、すごさを感じる作品だ。
色彩が豊かで現代に見ても新鮮さを感じる事のできる絵画だ。これが江戸時代の絵画??
現在は静岡県立美術館に所蔵されている。
一見すると、タイルで作られたモザイク画のように
江戸時代の日本にモザイク画あったのか?
実はこれはモザイク画ではなく、枡目描きと言われる手法で描かれたものなのだ。
升目描き??11万6,000個のマス目
その手法は狂気的である。まず淡墨で約縦横1cm間隔で線を引き、方眼を画面全体に作る。その上から絵柄に合わせた薄い淡い色を薄く塗り下地を作る。次に方眼を最初より濃い色で正方形に塗り込み、さらに正方形の隅に濃い色で濃淡をつける。
そして部分的に調整して、升目の一つが完成する。
アップして見ると、、縦横にマス目が描かれ、その中に濃淡のある正方形が描かれていることがわかるだろう。
これは江戸時代に流行った手法なのだろうか?実はこれは伊藤若冲が独自に考えた手法だ。何を見てこの手法を思いついたのだろうか?不思議だ、、
一説には織物の質感を再現しようとして編み出した手法だと言われている。
美術館の職員がこのマス目を数えたところ、一双で11万6,000個のマス目が確認された。
狂気的な数だ。
何を描いた絵画?
多くの動物が描かれているように見える。
右の絵は「獣尽くし」、左は「鳥尽くし」と言われ様々な鳥獣が水辺に集まる様子を描いている。生き物は当時は珍しい外国の生き物や想像上の生き物が描かれている。
江戸時代には珍しいゾウや想像上の生き物鳳凰が描かれている。
縁起物の作品だと言われている。
不思議で異国の雰囲気を醸し出している。
升目描きの作品は他にもある?
他にもこの手法で描かれた絵画はるあるのだろうか?この手法で描かれた作品は多くはなく、この「樹花鳥獣図屏風」とほぼ同じ構図の「鳥獣花木図屏風」「白象群獣図」の「釈迦十六羅漢図屏風」の4点がある。
「鳥獣花木図屏風」 |
「白象群獣図」 |
「白象群獣図」は個人蔵、「鳥獣花木図屏風」はアメリカのプライス財団が所有していたが、2019年に東京丸の内出光美術館が購入した。2020年に展覧会を行い公開されるという。→https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20062
現在「釈迦十六羅漢図屏風」は所在が不明になっている。
「釈迦十六羅漢図屏風」 |
1933年には府立大阪博物館所蔵とされていたがその後行方不明になった。
参照元:http://hshimpo.blogspot.com/2019/08/
「白象群獣図」が枡目描きの初期の作品。そして「樹花鳥獣図屏風」が描かれ、「鳥獣花木図屏風」が最後だと考えられている。
少しづ枡目描きの手法が違うことから、「鳥獣花木図屏風は若冲の作品を真似て描かれた偽物だ!」「いやより自由に進化した作品だ!」という論争も起きている。
→http://artistian.net/jakuchu_fake/
ミライノシテン.storeでは鳥獣花木図屏風のスマホケース販売中!
しかしどちらせよ若冲の狂気さを感じる作品であった。
ぜひ実物の生で見たい作品でだ!
参照元:http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/collection/jakuchu/
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