それが建築史家で建築家の藤森照信の建築だ。
その一風変わった建築は「ジブリに出てきそう!」と言われたり、まるで縄文時代からそこにあったような雰囲気なのだ!
建築家?デビューは遅かった?藤森照信とは?
建築史家でもあり、建築家でもあるのが藤森照信だ。本業は建築の歴史を研究したり、教えたりする大学の教授である。なので建築家としてのデビューは遅く、45歳になってからだ。それも影響しているのだろうか?建築と言えばコンクリートの打ちっ放しをイメージしてしまうかもしれないが藤森照信の建築は木や石、土壁、銅版などを使い、見たことがない建築を作る。
1946年に長野県の諏訪に生まれる。
東北大学に進学し1971年に卒業、その後東京大学大学院に進学する。
東北大学では歌手の小田和正と同期であったという。小田和正は卒業論文で「建築との決別」と言う論文を書き歌手の道に進んだ。
その後東京大学の助教授となり建築史の研究や教鞭をとる。
また「建築探偵団」や芸術家の赤瀬川源平らと「路上観察会」なども結成した。
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路上観察《世界一楽しいスベリ台、東京》 |
そうして建築史家や批評家として有名になった。
そんな藤森が建築家が45歳になり建築家としてデビューしたのだ。
それまで批評家として現代建築の評論もして活動していた藤森は「同じようなものは作れない」とそれまで建築史家としての知識や路上観察の経験を生かし独特な建築を作った。
それはまるで縄文の昔からそこにあったような、、はたまた宇宙から来たかのような不思議な建築を作るのだ。
そんな藤森照信の建築を紹介しよう。
神長官守矢史料館
藤森氏のデビュー作となったのがこの建築だ。藤森氏の地元、茅野市にある建築だ。明治初期まで諏訪大社の神長官を務めた守矢家の敷地にたつ資料館だ。諏訪大社の神事に関する展示などがされている。
土壁の土着的な雰囲気がある建築だ。新しい建築であるはずななのにずっとそこにあったかのような雰囲気を感じるのだ。
ちなみに後述する高杉庵、低杉庵、空飛ぶ泥船もこの建築のすぐ近くにある。
たんぽぽハウス
藤森氏の自邸で代表作であるのがたんぽぽハウスだ。屋根が緑化してあるのだが、その植物がその名の通りたんぽぽであるのだ。
東京の国分寺市にある。
ツバキ城
これもすごい!!どこにも見たことがない建築だ。東京都の伊豆大島に建つ。
屋根はもちろん建物の目地の間にも緑化がされている。
高過庵
高すぎる茶室というダジャレも混ざった建築だ。一見すると大丈夫か?と思ってしまう建築だ。
自然の木をそのまま2本だけ柱にしている建築だ。普段は入るこ事はできないが入れば揺れるという。アメリカのTime誌に「世界でもっとも危険な建物トップ10」に選ばれた。
低過庵
その横にあるのが今度は高いに変わった低い茶室、低過庵だ。2017年にワークショップ形式で多くの人の参加によって完成した。
銅版葺の屋根が美しい。時間と共に変化して行くのだろう。
屋根の部分がスライドして中に入ることができる。
空飛ぶ泥舟
そしてそのすぐ横には空飛ぶ泥船と言う空中に浮いている茶室がある。左右からワイヤーによって引っ張れているのだ。
中に入るとどんな感覚なのだろうか?藤森氏の卒業設計が元になっていると言う。
ねむの木こども美術館どんぐり
可愛い建築だ。
静岡県掛川市にある建築で、肢体不自由児のための養護施設「ねむの木学園」の子どもたちが描いた絵を集めた美術館だ。
ニラハウス
たんぽぽハウスの進化系?この建築も屋根に緑化がされてある。そして屋根に生えているのはニラだ。
東京の小田急線・玉川学園前駅の近くにある。親交がった前衛芸術家、故・赤瀬川原平の自邸だ。ニラには困らない住宅だ
しかし現在の情報によるとメンテナスが大変で現在は銅版葺の屋根になっていると言う。
養老昆虫館
大ベストセラーとなった「バカの壁」の著者、養老孟司氏の別荘である建築だ。何かの記念館、博物館なのか?と思ってしまうかもしれないが、
昆虫採集が趣味の養老孟司さんの昆虫標本を保管するホールを持つ別荘だ。
ラムネ温泉館
日本一の炭酸泉として知られる大分県の長湯温泉にあるのが、温泉施設ラムネ温泉館だ。焼き杉が雰囲気を出している建築だ。
入れば体に銀色の泡がつく良い温泉だ。
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このようにまるでおとぎ話の世界のような、面白い建築を多く作っている。
その場所の環境に合わせ手作りの暖かさを感じられる建築だ。
藤森氏の建築はこのように日本全国に多くある。ぜひ藤森建築を訪れて見てはどうだろうか?
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