近代絵画の父、ポール・セザンヌ。遅咲きの画家の作品とは?【a】

ピカソなどの新しい近代画家の父とも言われる画家のセザンヌ。

当時の印象派に新しい画法を持ち込んだ。しかし当初そのセザンスの画風は理解がされなかった。

そんなセザンスの画法とは?

近代画家の父、セザンヌ 

近代絵画の父。遅咲きの画家、ポール・セザンヌ【Art】
ポール・セザンヌ(1839年1月19日 - 1906年10月23日)は、フランスの画家。当初はクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールらとともに印象派のグループの一員として活動していたが、

1880年代からグループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求した。 


近代画家の父 

セザンスは後期の印象派を代表する画家でもある。当時の最先端であった印象派の画法を学んでいた。

しかしさらにその先を見ていたセザンヌは、印象派の画法だけではなく独自の革新的な表現方法を考案した。

印象派は光などを科学的に分析した緻密な絵であった。一方セザンヌの絵は造形的で不思議な構成の絵もある。 

その画風は当初はあまり評価されることはなかった。だがその画風が後のピカソなどによって提唱されたキュビズムに大きな影響を与えたのだ。

それが近代絵画の父と言われる所以である。 

またセザンヌの画法は19世紀フランスの画家アドルフ・モンティセリからの影響があると言われている。


遅咲きの画家 

その画風からか若い頃のセザンヌは評価されず、サロンに応募するも落選が続いた。しかし次第に若い画家を中心に評価されるようになる。

パリでもその名が知られ、個展も成功した。 

セザンヌが評価されだしたのは50代の後半になってからであった。
晩年には高額で絵が取引れることもあった。 そしてその死後にその評価はさらに高まった。

芸術家の典型的なパターンのような死後であった。


作品 林檎とオレンジ

近代絵画の父。遅咲きの画家、ポール・セザンヌ【Art】 林檎とオレンジ
セザンヌがよく描いていたのが林檎とオレンジだ。何気なく描かれているが、皿の角度や机の上の配置がアンバランスになっている。 

セザンヌ独特の画法で、一つの画面で複数の対象物を様々な角度から観察し描いているのだ。一つ一つが最もよく見える角度から描いている



ピカソの絵画は一人の人の顔を違う角度から描き組み合わせているが、その原点がセザンヌのこの技法かもしれない。






作品 サント・ヴィクトワール山 

近代絵画の父。遅咲きの画家、ポール・セザンヌ【Art】 サント・ヴィクトワール山
サント・ヴィクトワール山はセザンヌの故郷エクス・アン・プロヴァンスにある山だ。セザンヌが好んで描いた風景である。

この作品はセザンヌが晩年に描いたもので評価の高い作品である。

手前の森から奥の空まで具体的な形では描かれていないが、全体として見ると美しい風景画と分かる。
抽象的であるが故に鑑賞者自らの経験が絵の細かな部分を補う様になり、想像力が駆り立てられる一枚である。

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まとめ

セザンヌの功績は後年になって「ポスト印象派」と名付けられる。印象派が席巻したヨーロッパ美術界をセザンヌは克服したのである。

変化とは絶えず挑戦し続けることである。セザンヌは印象派のグループの一員でありながら満足することなく、自らを更に高めていったのである。
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