ゴッホにモネにエッフェル塔三十六景?浮世絵に影響を受けた西洋画たち

19世紀後半に特に欧米で起きた日本文化ブームが起きました。それがジャポニズムです。
を指す言葉です。

19世紀に日本が開国をし、日本の文化が広く欧米に知られるようになります。
1889年にパリ万博が開催されブームとなりました。

特に日本の浮世絵は、その独特の美学と技法により、多くの西洋画家たちに大きな影響を与えましたのです。
ではそんな日本の浮世絵が影響を与えた画家と絵画を紹介しましょう。

浮世絵の模写を描いたゴッホ

ヴィンセント・ファン・ゴッホは、自身の作品に浮世絵の影響を見つけることができます。

彼の色彩感覚や線の使い方、大胆な構図は浮世絵から大きな影響を受けたと言われています。

またゴッホは浮世絵の収集もしており、その数はなんと600点とも言われています。 その集めた浮世絵で浮世絵展も開催したほどです。 

ゴッホは浮世絵を模写して作品を残しています。

『ジャポネズリー 雨の大橋』 1887年
こちらは歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」を模写した作品です。

構図もそのまま見事に広重の作品をコピーしています。当時の西洋では降ってくる雨を描くことはありませんでした。その雨を線で表現する画法に当時の画家たちは驚きました。

『アルルの寝室』 1888年
ゴッホの代表作の一つで、浮世絵の影響が強く見られます。
部屋の中に掛けられている絵は、ゴッホが所有していた浮世絵のコレクションの一部を描いたものです。

色彩や構図も大胆であり、歪んだように見える遠近感は浮世絵から学んだ技法が活かされています

日本庭園も作ったモネ

クロード・モネもまた、浮世絵から大きな影響を受けた画家の一人です。

モネは自宅の庭に日本庭園を作り、睡蓮の池を中心に据えました。藤や太鼓橋を作り、それらを題材に絵画を多く描いています。
彼の作品「睡蓮」の、その日本の庭園風景を描いたもので、浮世絵のような自然描写と色彩感覚が見て取れます。

モネ自身は庭が自身の最高傑作と語っていたほどです。彼が日本の自然美に魅了されていた証と言えるでしょう。
またモネのジヴェルニーの家には233枚もの浮世絵が残されていたといいます。

『ラ・ジャポネーズ』 1876年
クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」は、19世紀後半のヨーロッパで流行したジャポニズムの影響を色濃く反映した作品です。

この絵画は、モネの妻であるカミーユが日本の着物を着て、扇子を手に持っている姿を描いています。当時の西洋社会に広がっていた日本趣味やオリエンタリズムを風刺しています。

モネは当時流行していた日本の風景画や美人画のみならず、日本の着物や扇子などの日用品にも魅了されていました。そのため、「ラ・ジャポネーズ」は、日本文化への理解と敬意、そして当時の欧米社会の日本ブームを反映した作品と言えます。

『睡蓮の池と日本の橋』 1899年   
浮世絵から影響を受け作った自身の庭を描いた作品。

モネは自身の庭の睡蓮、柳、太鼓橋の組み合わせたテーマで18点もの作品を描いています。この庭は今でも残っています。

美人画、役者絵から影響を受けた、マネ

マネは比較的早く浮世絵に影響を受けた画家として知られています。 
 パリ万博以前から浮世絵を収集していたといいます。

浮世絵から学んだ色彩のコントラストや平面的な表現、そして人物のポーズなどが反映されています。彼のは、その構図や描写が明らかに浮世絵の影響を受けており、

『オランピア』 1863年
浮世絵の影響が見られる作品です。立体感や奥行きを出すための陰影が付けられず、平面的に描かれています。
東洋の美学が西洋の芸術にどのように、融合されたかを見ることができます。

『笛を吹く少年』 1866年
少年を正面から捉え、輪郭がはっきりとしています。

背景は無地で平面的で人物が浮かび上がるような絵画です。この絵にも浮世絵の影響があったと言われいます。当初はフランスでは酷評されましたが、現在では名作として知られています。

エッフェル塔三十六景を描いた?アンリ・リヴィエール

アンリ・リヴィエールはフランスの画家であり、ジャポニズムの影響を受けた画家の中でも特に独特な存在です。
油絵を浮世絵風に描くのではなく。独学で木版画を学び実際にフランスの風景の版画を描いたのです。日本ではフランスの浮世絵師と呼ばれています。


葛飾北斎の「富嶽三十六景」に影響を受けた「エッフェル塔三十六景」という作品を描きました。浮世絵の技法を活用しつつ、パリの都市風景を描いた一連の作品で、東洋と西洋の芸術が融合した画期的な作品とされています。

まとめ

以上、浮世絵に影響を受けた西洋の画家たち、ゴッホ、モネ、マネ、そしてアンリ・リヴィエールについて紹介しました。彼らの作品を通じて、19世紀のジャポニズムが西洋画家たちにどのような影響を与え、それが彼らの作品にどのように反映されたかを見ることができます。このように、文化の交流は新たな芸術の形を生み出し、その魅力を世界に広げる大切な役割を果たしています。

https://media.and-art.jp/art-appreciation/ukiyo-e_artists/
https://intojapanwaraku.com/rock/art-rock/65706/
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