忘れられた神様。「千と千尋の神隠し」のハクとはどんな存在だったのか?【t】

宮崎駿の代表作であり、邦画の歴代興行収入1位であるのが「千と千尋の神隠し」である。この作品に登場する重要なキャラ「ハク」に宮崎駿が込めたメッセージとは何だったのだろうか?


忘れられた神様

ハクとは、千尋が神様の湯屋に迷い込んだ際に、千尋を助けてくれた人物だ。ジブリのキャラクターの中でもイケメン度が高く人気がある。

千尋が最初にハクに出会った時、ハクは自分のことを忘れていたのだ。


自分の本当の名前、自分の過去を。

映画ではその後いろいろとあり、、、


ついにラストに
千尋が昔川の中でハクに助けらたことを思いだしたのだ!

そしてハクも自分の事と名前を思い出すことができたのだ。
ハクの本当の名前は「ニギハヤミコハクヌシ」という川の神様であったのだ。




だがその川は人間によって埋め立てられなくなってしまった川だったのだ。
人間に恨みを持ち、そして湯婆婆の元にやってきたのだ。

そんなハクの存在を宮崎駿は「忘れられた神様」だと言った。


日本人が忘れたもの

日本の神社をたどればアミニズムの信仰にたどり着く。古来より日本人は自然や自然の中に神を見出し信仰してきた。

山や川、海、岩、木などに神を見たのだ。


人間が太刀打ちできない大きな力への畏怖と自然への感謝があった

しかし経済発展が進む中で日本人はそのことを忘れてしまったのだ。森を切り開き、川や海を埋めた。



そう神様を忘れ、神様は忘れ去られてしまったのだ。

東京の町を歩いていると昔は川だったと思われる路地や地下化された川の道が多くある。行き交う人は川だったことや、下に川があることなど知らず歩いている。

そこに忘れられた神様がいるのだ。


身近にも忘れられた神様がいる


原宿のキャットストリート。
昔はここも川であった。若者はそんなことなど知らず歩く。

都会の街の中にはそのような忘れられた神様が多くいるのだ。川は埋められ、山は切り開かれた。

山を切り開いて作られたニュータウン。


現代は人間も苦しみながら生きているが、神様にも苦しい時代だ」
宮崎駿は言った。


忘れられた神様を少し紹介しよう。


築地川(つきじかわ)

東京都中央区を流れ東京湾に注ぐ二級河川

現在は、ほとんどが埋め立てられ一部が残るのみである。移転問題がある築地市場あたりにあった川だ。このあたりには築地川公園など築地川の名残を残した地名が残る


蛇崩川(じゃくずれがわ)

蛇崩川は、東京都世田谷区および目黒区を流れる二級河川であった

昭和50年代から平成初期にかけて暗渠化(アンキョカ)(道の下に川が流れる)され現在に至る。

支流も含めてほぼ全域が暗渠化されており、開渠になっているのは目黒川合流部の数mの区間のみとなっている。

九品仏川(くほんぶつがわ)

九品仏川は、東京都世田谷区を流れる二級河川。東急東横線自由が丘駅付近を流れていた川だ。

九品仏川は全線が暗渠になり、下水道になっている。地上部は緑道が設置されている。


自由が丘駅付近の写真。

昭和24年ごろの九品仏川、桜が満開である。


心を思い出す

日本全国にはこのような場所がたくさんある。昔は山だった住宅地、昔は海だった埋立地。

そこにも忘れられた神様がいるのである。忘れられた神様は身近にいるのかもかもしれない。


ハクは人間に恨みのような感情を持って湯婆婆の元にやってきた、しかし千尋に名前を思い出してもらうことで昔の自分を思い出したのだ。

http://xn--o9j0bk5542aytpfi5dlij.biz/sentotihiro_haku/
今、自分が住んでいる場所には昔何があり、どんな場所だったのだろうか?

それを思い出すことが神様を思い出すことにつながり、日本人が忘れた心を思い出すことにつながるのだ。
スポンサーリンク

スポンサーリンク