森美術館 企画展「僕の身体、あなたの声」で感じた現代アートの迷走。【Thought】

「僕の身体、あなたの声」
現在六本木ヒルズの森美術館で20組のアーティストによる現代アート展が開催されている。アーティストたちのまなざしを通して描かれる、歴史や身体、性、風景に対する新たなイメージというコンセプトだ。

http://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/hills/photonews/index.php?no=1436

これまで現代アートに対しては苦手意識があり、あまり見に行く機会はなかった。しかし今回私自身の憧れの場所である森美術館であることと、タイトル・コンセプトに惹かれ見に行くことを決めた。

だがその期待は全くの空振りに終わってしまった。

言葉が先行する現代アート

結論からいうと、何を伝えたいのか全く分からないのである。使っているものもガラクタ同然のようなものであった。きっとこの展示が終わったらゴミ箱行きなんだろうなぁー。そう思うとなんだか切なくなった。

言葉では伝えることができても、アートして表現するのは簡単ではないのだ。そのことを実感させられた。
今回の作品も意味が全く分からないか、言葉通りの直接的な表現かのどちらかであった。

しかしそのアーティスト達のテーマ・コンセプトは皆素晴らしく、そのコメント一つ一つに感動をした。

だがアートは表現ありきである。その表現を間違えると「独りよがり」となり兼ねない。また私は本来アートと言うものは美しくなければいけないと思っている。特にアートの空間演出は観に来た人を巻き込み、メッセージを伝えるものだ。そこにはアーティストとしての責任が生じるのである。その人を不快にさせてはならないと思う。

迷走する現代アート

つまり、今日の現代アートは迷走中であるのだ。「間接的なメッセージ」という方向性はわかるのだが、そのメッセージが伝わらなくては無意味なものとして終わってしまう。
表現は自由である。しかしそこには伝えたい相手がいる事を忘れてはならない。

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